逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 アーロンが代わりに、
「それは、温存されたのだろうと思うよ、ガイのことを」

「私もそうだと思います。このラクレス領のために、そして何よりお嬢さまのためにお考えになったのだと」
 セルビィも言い添えた。

 部屋に沈黙が流れた。
「し、しかし」
 それを破ったのはガイだった。

「自分はラクレス様の側にいたかった。公の盾になったっていい、少しでもお役に立ちたかったんだ。それがこんなことになってしまって」

 握った拳が震えている。

 セルビィがガイを見た。肩にそっと手を置いた。
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