逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 さりげなく肩を抱かれた。
 彼はふっと笑ってから、
「この手を振り払って、君は逃げたんだがね」
「え?」

「大勢の男が待っていると言っただろう。彼らが私を待っているんだと」
「それは」

「あのときは・・」
「あのとき、は?」
 ソフィーは聞き、
「なんて女だろう、と思ったよ」
 耳元でささやいた。

 ア―ロンが微笑み、つられて笑みをこぼす。
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