逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「アーロン様、決着はつきました。この上は一刻も早くご帰還を!」
側近が進言した。
うなずいてアーロンが騎乗する。
馬上からヴェンを呼んだ。
「バッハスの主体はここらを通過したはずだ。しかしまだ残りの兵がいるかもしれない。だから側近の部下の四十名はここに残しておく。お前は彼らと共に洞窟を守ってくれ」
「はい」
指示を残して帰還しようとし、ふとその向こうに視線が動く。
洞窟の入口に負傷兵が出て来ていた。
ある者は仲間に支えられ、ある者は岩に寄りかかってこっちを見ている。
馬を一回りさせて彼らに向いた。そして、
「我われは必ず勝利する!」
宣言するようにいった。
「バッハスは必ず報いを受ける。それが無法者の末路だ、他国を侵略しようとした輩への天罰なのだ」
なお声を大にして、
「君らの無念は手に取るように分かる。・・ラクレスの方々の無念は、必ず晴らしてみせる。見ていてくれ、奴らとどう戦うのか、どう仇を取っていくのか、ここからじっくりとだ」
負傷兵は度肝を抜かれた顔をしている。
次には嬉しそうに何度もうなずいていた。
側近が進言した。
うなずいてアーロンが騎乗する。
馬上からヴェンを呼んだ。
「バッハスの主体はここらを通過したはずだ。しかしまだ残りの兵がいるかもしれない。だから側近の部下の四十名はここに残しておく。お前は彼らと共に洞窟を守ってくれ」
「はい」
指示を残して帰還しようとし、ふとその向こうに視線が動く。
洞窟の入口に負傷兵が出て来ていた。
ある者は仲間に支えられ、ある者は岩に寄りかかってこっちを見ている。
馬を一回りさせて彼らに向いた。そして、
「我われは必ず勝利する!」
宣言するようにいった。
「バッハスは必ず報いを受ける。それが無法者の末路だ、他国を侵略しようとした輩への天罰なのだ」
なお声を大にして、
「君らの無念は手に取るように分かる。・・ラクレスの方々の無念は、必ず晴らしてみせる。見ていてくれ、奴らとどう戦うのか、どう仇を取っていくのか、ここからじっくりとだ」
負傷兵は度肝を抜かれた顔をしている。
次には嬉しそうに何度もうなずいていた。