逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 アーロンが梯子(はしご)から下りてくる。

 シュテルツは駆け寄ると、
「どこにいたのだ、この重大事に」

「まあそういきり立つな」

 そのアーロンの全身が薄汚れている。

「やつらはこのやり方も知らなかったのだ。今まで何をやってきたのか、この軍隊は」
 と言ってから、
「まあその上官だったのは俺だがな」

「なんのやり方だ」
「まあ見ていろ、もうすぐわかる」

 シュテルツは盟友を見て、
「頼むぞお前だけが頼りだ。何としてでも止めてくれ、バッハスを、彼らの暴挙をだ」

「もちろんだ。全力を尽くしてみせる」
 
 きっぱりと答えた。
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