逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
もう一つの屋敷
 大きな門構えの前で止まった。
 門番がアーロンを見て最敬礼をした。

 大きく重厚な門扉が開く。
 広い敷地に樹木が茂り屋敷がすぐに見えない。これだけでも相当名のある貴族邸に思えた。

「ここは?」

「中に入ってくれ、話はそれからだ」

 玄関ホールは吹き抜けだった。
 正面に大きな花瓶があり、向こうに長い廊下が続いている。
< 262 / 466 >

この作品をシェア

pagetop