逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
もう一つの屋敷
 大きな門構えの前で馬の足を止める。
 門番がアーロンを見て最敬礼した。

 大きくて重厚な門扉が開く。
 広い敷地には樹木があり屋敷がすぐに見えない。これだけでも相当名のある貴族の邸宅に思えた。

「ここは?」

「中に入ってくれ、話はそれからだ」

 玄関ホールは吹き抜けだった。
 正面に大きな花瓶があり、向こうに長い廊下が続いていた。
< 269 / 477 >

この作品をシェア

pagetop