逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「おい、早く歩け!」
ギースがせっついてくる。
「この調子だと屋敷に着くのが夜になってしまうぞ」
さっきまでの口調がガラリと変わっていた。
明らかに横柄になったのは自宅が近づいているからだ。
これからケイネ邸へ行く。そこでの出来事が察せられた。
覚悟が、必要だろう。
そのとき馬の蹄が聞こえた。
対岸の道に騎馬の一団が近づいている。
群青の軍服はグリントール王宮直属の兵だ。ピシリと姿勢を正し隙のない手綱さばきが鮮やかだった。つい見入ってしまう。
すると先頭の騎士も気付いたのかこっちを見た。五十がらみの高官のようで、眼光が鋭く射抜かれる圧を感じた。
ギースがせっついてくる。
「この調子だと屋敷に着くのが夜になってしまうぞ」
さっきまでの口調がガラリと変わっていた。
明らかに横柄になったのは自宅が近づいているからだ。
これからケイネ邸へ行く。そこでの出来事が察せられた。
覚悟が、必要だろう。
そのとき馬の蹄が聞こえた。
対岸の道に騎馬の一団が近づいている。
群青の軍服はグリントール王宮直属の兵だ。ピシリと姿勢を正し隙のない手綱さばきが鮮やかだった。つい見入ってしまう。
すると先頭の騎士も気付いたのかこっちを見た。五十がらみの高官のようで、眼光が鋭く射抜かれる圧を感じた。