逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
再訪
霧がかかっていた。
これほど白一面になるなど滅多にない。
そのなかを青年が歩いてきた。
誰何する門番に紹介状を出した。
シュテルツ直筆の書だ。彼が来たらすぐ自分に案内するようにとあった。
廊下を歩く青年は懐かしそうに左右を見ている。
治療室のベッドにシュテルツが横たわっていた。
足早に近づくと、
「お久しぶりです、シュテルツ様」
「来てくれたのだな」
笑みを浮かべて、
「よく来てくれた。オルグよ、君に頼みがあるのだ」
* * * * *
これほど白一面になるなど滅多にない。
そのなかを青年が歩いてきた。
誰何する門番に紹介状を出した。
シュテルツ直筆の書だ。彼が来たらすぐ自分に案内するようにとあった。
廊下を歩く青年は懐かしそうに左右を見ている。
治療室のベッドにシュテルツが横たわっていた。
足早に近づくと、
「お久しぶりです、シュテルツ様」
「来てくれたのだな」
笑みを浮かべて、
「よく来てくれた。オルグよ、君に頼みがあるのだ」
* * * * *