逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「現在の宰相補佐である君はそのままに、そしてオルグ、君は宰相の顧問として立って欲しいのだ」

 二人が絶句する、そして、

「それを私の置き土産にしたいのだ。・・この世の最後のね」

 そういって静かに微笑んだ。

 病室に沈黙が訪れた。
 長い間、誰も微動だにしない。

 やがてオルグらが姿勢を糺した、そして申し合わせたように頭を下げた。


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