逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「いったい、何があったのだ」
 タオルを使いながら聞いた。

 湯殿から上がって来たアーロンは上半身裸だった。
 まだ髪が濡れて前髪が下りている。
 見たこともない姿に目を奪われた。
 男の色気がだだ漏れしている。

「あ、いえ、その・・」
 ソフィーは顔を赤らめて背を向けた。

「あのぉ、えっと、その、また後で来ます」
 出て行こうとすると、
「なにを今さら。なんならすぐあの寝室へ行ってもいいのだぞ」
 色めいた声をかける。

「止めて下さい、今はそんなことを言っている場合じゃなくて」
「じゃあどういう場合なのだ」
 
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