逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「あなたも行くのですか」
「こんな面白い話を聞いたのだ、人任せにできるか」

「どうぞ危ないことは」
「大丈夫だ、相手はゴロツキだ一瞬で捕らえてみせるさ」
 呑気そうに笑っている。

 軍を率いる彼には特異な捜査だろう、剣もスモールソードに替えていた。

 騎馬で大門に向かうときも並足だった。

 だが門を出てソフィーの影がなくなると、
「我が家から軍事機密を持ち出しただと、ただでは済まさん、覚悟しろよ!」
 悪鬼のように怒鳴った。


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