逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「この間だと、いったい何の話だ?」
「あの湯殿のときです、あなたは急に迫って来て、問い詰めるようにしたでしょう。私の肩を押さえて、さあ言うよな、と」
「・・ゆどの、ですか」
リズが目を丸め、ソフィーははっとして、
「いや、そうじゃなくて、その」
「ああそうだな、あの風呂場では何もなかったが」
ア―ロンが火種を大きくした。
「もうっ、止めて下さい」
「止めろだって? 言いだしたのはソフィーだろう。君もなかなか開けっぴろげになったものだと」
リズがあわてて咳払いをする。
「今はエレナとその男のことでございます。それはラプターという髭の男ではと思いますが、でもいったい何者なのでしょう」
その顔もどこか赤くなっている。
「ただのゴロツキではない、バッハスのコインを持っていたなど聞き捨てにできないことだ」
「はい」
「早速ヴェンらに調べさせるつもりだ、北通りの市場をだ。もしかしてそこにエレナが監禁されているかも知れないからな」
「っ、監禁!」
ソフィーとリズが同時に叫んだ。
* * * * *
「あの湯殿のときです、あなたは急に迫って来て、問い詰めるようにしたでしょう。私の肩を押さえて、さあ言うよな、と」
「・・ゆどの、ですか」
リズが目を丸め、ソフィーははっとして、
「いや、そうじゃなくて、その」
「ああそうだな、あの風呂場では何もなかったが」
ア―ロンが火種を大きくした。
「もうっ、止めて下さい」
「止めろだって? 言いだしたのはソフィーだろう。君もなかなか開けっぴろげになったものだと」
リズがあわてて咳払いをする。
「今はエレナとその男のことでございます。それはラプターという髭の男ではと思いますが、でもいったい何者なのでしょう」
その顔もどこか赤くなっている。
「ただのゴロツキではない、バッハスのコインを持っていたなど聞き捨てにできないことだ」
「はい」
「早速ヴェンらに調べさせるつもりだ、北通りの市場をだ。もしかしてそこにエレナが監禁されているかも知れないからな」
「っ、監禁!」
ソフィーとリズが同時に叫んだ。
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