逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 アーロンらはエレナが拘束されていた廃墟から捜索を始めた。

「傭兵崩れならここらの地元民ではない。周囲で見慣れない人物の特定を急ぐのだ」
 範囲を広げてあちこちに馬を駆ける。
 しかしその日はめぼしい収穫はなかった。

 翌日の昼だった。
 酒場でラプターの仲間と思われる男を突き止めた。

 泥酔いした彼は勘定に変わった金を使おうとした。
 バッハスの紙幣だった。
 知らせを受けて急行する。そしてラプターの消息を聞き出した。

 乗り合い舟が出発しようとしていた。
 船頭が一人、乗客が三人。

 離岸すれすれにアーロンらが跳び乗った。

 帽子を目深にかぶった男に近づいて行く。 
 
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