逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「ヴェンじゃないか、アーロン・ハインツ閣下の私兵の」
王宮で何度も顔を合わせているデイズだった。
彼はアーロンが率いる国軍の兵士で、ヴェンはアーロン家の私兵という立場だった。
デイズが驚いた顔で見上げている。
ヴェンはしゃがんで、
「一体どうしたんだ、お前がここにいるなんて」
「仕方ないじゃないか、怪我をしてしまったんだから」
「怪我だと? どこをやったんだ」
「脚だよ、だから満足に歩けないんだ」
「またヘマをしたんだろう」
「うるさいな。黒ずくめの奴に切られたんだよ、国境で」
「黒ずくめだぁ? 国境でだと」
「シッ、声が大きい」
王宮で何度も顔を合わせているデイズだった。
彼はアーロンが率いる国軍の兵士で、ヴェンはアーロン家の私兵という立場だった。
デイズが驚いた顔で見上げている。
ヴェンはしゃがんで、
「一体どうしたんだ、お前がここにいるなんて」
「仕方ないじゃないか、怪我をしてしまったんだから」
「怪我だと? どこをやったんだ」
「脚だよ、だから満足に歩けないんだ」
「またヘマをしたんだろう」
「うるさいな。黒ずくめの奴に切られたんだよ、国境で」
「黒ずくめだぁ? 国境でだと」
「シッ、声が大きい」