逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 センダの代役の選定は難航を極めた。
 
 シュテルツは諸侯らに伝令を送った。しかし『その日は所用があって・・』とはぐらかされる。
 
 だがグリント―ルとして欠席する訳にはいかない。
 バッハスとこの国の和平会見だからだ。
 本来なら宰相の自分が行くべきだった。しかし思うに任せぬ体が歯がゆい。 

 そうするうちにも時間が経ってくる。

 そして、
【まことに恐縮ながら・・】
 としたため、

【もうそろそろ来る頃だと思っていた】
 と返答があった。

 長年の盟友にまたしても難儀をかけることになる、ベッドの上で瞑目した。


          * * * * *

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