逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
国境での出来事
目が慣れるにつれて辺りが見えてくる。
負傷者は洞窟の凹凸を利用してあちこちに寝かされている。
見える範囲で三十人程だろうか。
じっと見ているとデイズが、
「彼らはバッハスの越境で負傷したラクレス兵だ」
「じゃお前もそのとき怪我を?」
「いや、俺はそれを調べるために後から行ったのだ」
「調べる?」
「半月前にアーロン様から指示が出たんだ、バッハスが越境した真相を調べろとね。それで仲間と三人で国境へ行ったんだ」
現地に着いたのは夜だった。
まず警備隊の長のラクレス公に話を聞こうとした。
面会を申し出た、だが『申し訳ないが今夜は所用がある』との返事だった。
明日の朝一番に、と約束を取って引き上げた。
負傷者は洞窟の凹凸を利用してあちこちに寝かされている。
見える範囲で三十人程だろうか。
じっと見ているとデイズが、
「彼らはバッハスの越境で負傷したラクレス兵だ」
「じゃお前もそのとき怪我を?」
「いや、俺はそれを調べるために後から行ったのだ」
「調べる?」
「半月前にアーロン様から指示が出たんだ、バッハスが越境した真相を調べろとね。それで仲間と三人で国境へ行ったんだ」
現地に着いたのは夜だった。
まず警備隊の長のラクレス公に話を聞こうとした。
面会を申し出た、だが『申し訳ないが今夜は所用がある』との返事だった。
明日の朝一番に、と約束を取って引き上げた。