逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
と、そんなときだった。ドスンと音がした。
何かが壁にぶつかったような音だった。
え、と辺りを見た。
それは間をおいて再び聞こえた。この部屋の奥にある扉の向こうからのように思えた。
扉に近づいてみる。迷いながらそっと開けた。
とたんにわっと風が吹き込んで来た。カーテンが大きくあおられ、机にある花瓶がグラグラと揺れる。
とっさに走り寄って押さえた。
床に落ちずにほっとする。
思わず息をついたときだった。
はためいたカーテンの陰から手が伸びてきた。
それがソフィーの腕をガシッと掴む。
とっさに逃げようとした。
しかし手は許そうとせずカーテンの向こうに引きずり込まれた。
悲鳴をあげた。
その口をふさぐものがある。
ア―ロンだった。
あおられたカーテンの向こうはベッドだった。彼はそこで寝ていた。
ベッドに引き込まれてその顔を見た。
ニヤッと笑っていた。
* * * * *
何かが壁にぶつかったような音だった。
え、と辺りを見た。
それは間をおいて再び聞こえた。この部屋の奥にある扉の向こうからのように思えた。
扉に近づいてみる。迷いながらそっと開けた。
とたんにわっと風が吹き込んで来た。カーテンが大きくあおられ、机にある花瓶がグラグラと揺れる。
とっさに走り寄って押さえた。
床に落ちずにほっとする。
思わず息をついたときだった。
はためいたカーテンの陰から手が伸びてきた。
それがソフィーの腕をガシッと掴む。
とっさに逃げようとした。
しかし手は許そうとせずカーテンの向こうに引きずり込まれた。
悲鳴をあげた。
その口をふさぐものがある。
ア―ロンだった。
あおられたカーテンの向こうはベッドだった。彼はそこで寝ていた。
ベッドに引き込まれてその顔を見た。
ニヤッと笑っていた。
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