逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「それにしてもすごい部屋だな」
 王妃の間の豪華な設えをワイトが見渡している。

「私は普通の部屋で十分なんだけどね」
 ソフィーは苦笑して、
「それよりさっきはクニ(・・)に帰るって? 最後の挨拶って言ったけどいったい」

「間もなくここを離れるんだ。いつまでもこの地球にいる訳にはいかないからな」

「え、ちきゅうって、ええ?」
 まじまじとワイトを見た。


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