逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 事態は急転直下で動いた。
 捜査の手が伸びる前にケイネら当事者が隠蔽することを恐れたからだ。

 カライルの供述後、衛兵がケイネ隊の兵士を尋問した。
 彼らは黙秘を通そうとした。
 しかし、国境でラクレス公を手にかけた一団はすぐ浮かび上がった。

 ケイネ隊の内部でも彼らの所業は意識されていたからだった。

 それによって事件が一気に表面に出た。


 憲兵がケイネ本人の確保に向かう。
 抵抗に備えて軍の一隊も屋敷を包囲した。

 その状況を見て、ケイネはすべてを悟った。
 死人のような顔で屋外に出た彼をその場で拘束した。

 別邸にいたギースも捕縛する。

 それらに関与したカライルも投獄の身となった。


          * * * * *
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