逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
ワイトが王宮の武器庫を見て回っている。
「ふーん、この時代の武器はこういう構造なのか」
係官が困惑して伺いを立てると、
「まあ、差しさわりのない物は見せてやってくれ」
アーロンが苦笑して許可を与えた。
軍事施設には国家機密のスポットがある。
兵が目を光らせて案内するが、しかしワイトは細部を調べる様子はない。
一通り見たあとは軍馬の厩舎や伝書鳩の小屋に行っていたりする。
「馬が笑った!」
目を剥くことをいうかと思えば、途中で見た若い女官を追いかけていたりもする。
「胡散臭い奴だ」
アーロンが眉根を寄せた。
「ワイト殿が!」
誰かが飛び込んで来るたびに、なにっ、と目を剥いたものだ。
それがたび重なって、
「あいつは一体いつまでここにいるつもりなんだ」
ぼやく夫に、
「でも、ワイトにはすごく感謝しているのよ」
「なにを感謝しているんだ」
「私は、あの人にすごいことをしてもらったのですもの」
妻は意外なことをいう。
「ふーん、この時代の武器はこういう構造なのか」
係官が困惑して伺いを立てると、
「まあ、差しさわりのない物は見せてやってくれ」
アーロンが苦笑して許可を与えた。
軍事施設には国家機密のスポットがある。
兵が目を光らせて案内するが、しかしワイトは細部を調べる様子はない。
一通り見たあとは軍馬の厩舎や伝書鳩の小屋に行っていたりする。
「馬が笑った!」
目を剥くことをいうかと思えば、途中で見た若い女官を追いかけていたりもする。
「胡散臭い奴だ」
アーロンが眉根を寄せた。
「ワイト殿が!」
誰かが飛び込んで来るたびに、なにっ、と目を剥いたものだ。
それがたび重なって、
「あいつは一体いつまでここにいるつもりなんだ」
ぼやく夫に、
「でも、ワイトにはすごく感謝しているのよ」
「なにを感謝しているんだ」
「私は、あの人にすごいことをしてもらったのですもの」
妻は意外なことをいう。