逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 神経が集中したとき、アーロンの脳裏に一片のあるものが浮かんだ。

 ・・ワイトの、あいつの言った通りじゃないか。あいつが望んだ通りにことが進んでいるじゃないか。
  
 彼は言っていた。
『かっちり二十年後だ、今夜から(・・・・)数えてな』
 と。

「いまいましい」
 最後だけ声に出た。

「え?」
 ソフィーが驚いて見上げる。
「あ、いや、何でもない。すまない、気にするな」
 あわてて取り繕う。

 ことは、ゆっくり次の段階に進んでいった。

 次第に熱に浮かされ煽られていく。

 やがてさっきの些細な断片など、あと形もなく消えて行った。


                          fin




























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