逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「それよりも退職式だ。式はあのアーロン・ハインツの分も一緒に行おうと思ってな」
「は? アーロンの誕生日はまだ半年も先でございますが」
「お前達は長年の盟友であろう。お前は執務でアーロンは軍と分野は違うが、いっそ合同でやったらどうだ。賑やかな式になると思わないか」
名案だとばかり笑っている。
思わず息を止めた。アーロンには聞かせたくない。
バッハスとの懸念が増大している、そんなとき軍のトップの交代などと。
シュテルツは黙り込み、
「アーロンには私から言おう。お前は宰相の引継ぎを準備しておいてくれ」
「さようで、ございますか」
重い足取りで部屋を出た。
『まだ半年の任期があるのに退職式だとっ』
怒るアーロンが目に浮かぶ。
『式を済ませて後の指揮をどうやって執れというのだ。それとも同時に司令官の職も退けというのか』
* * * * *
「は? アーロンの誕生日はまだ半年も先でございますが」
「お前達は長年の盟友であろう。お前は執務でアーロンは軍と分野は違うが、いっそ合同でやったらどうだ。賑やかな式になると思わないか」
名案だとばかり笑っている。
思わず息を止めた。アーロンには聞かせたくない。
バッハスとの懸念が増大している、そんなとき軍のトップの交代などと。
シュテルツは黙り込み、
「アーロンには私から言おう。お前は宰相の引継ぎを準備しておいてくれ」
「さようで、ございますか」
重い足取りで部屋を出た。
『まだ半年の任期があるのに退職式だとっ』
怒るアーロンが目に浮かぶ。
『式を済ませて後の指揮をどうやって執れというのだ。それとも同時に司令官の職も退けというのか』
* * * * *