逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
『この密書はどういうことだ』
 人払いをした部屋でケイネ親子が対峙する。

『ごらんの通りですよ。我が軍も行動を起こすときが来ましたのでね』 
『っ!』

『まずはこの国境を超える必要がある。そのための情報を提供してほしいのですよ』
『そ、そんなことが』

『出来る訳がない、こともないでしょう。もし断ったらここでぶちまけますよ、ケイネ様はこんな情報を流していたのだと。驚くでしょうなラクレス隊は。いや、あなたの家臣のケイネ隊もショックでしょう、(あるじ)が軍事機密を漏洩していると知ったなら』
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