逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 大男はいきなり窓を開けた。そして、
『いやあ、駐屯地の皆様!』

 ケイネとギースが絶句する。

『いい天気でございますなあ、今日は』
 背伸びをしてみせた、そしてパタンと窓を閉めた。

『私も命は惜しゅうございますのでね。今日はこれ位にしておきましょう。だがあなた方はすでに味方を裏切っている。取るべき道は一つしかないのですからな』

 不敵なわらいを残して去って行く。
 
 ケイネ親子が蒼白になった。
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