逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 王都の北側に商人の街があった。

 ひときわ大きな屋敷の庭、そこに(あるじ)のカライルが立っていた。

 目の前には白金に光る大きな物体がある。
 楕円のそれは貴重な金属の一種だと思えた。

「さて、これをどうしたものか」
 腕を組んで考えていた。


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