逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「いや、本当に実際のことを聞きたいのだ、それが国のためになる、分かるだろう」
 
 促されて老兵がうなずいた。
「私は一か月前の紛争で負傷して帰って来たのですが」
 彼の息子が隊に残っていて、ラクレス領との連絡係をやっているのだと言った。

「その息子が言いますには、ケイネ隊が来て現地がひどく混乱したそうです」

『それは田舎のやり方だ。本当の軍隊はこうするのだ』
 と高飛車に出た。
 結果、互いの溝ができるのに時間はかからなかった。
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