逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
やがて馬車は屋敷に着いた。
執事らが出迎える。
アーロンの次にフードを被った少年が出て来た。
「これは? 一体どなたでございますか」
「いや、大丈夫だ」
それだけ言って自室まで連れて行った。
ソファーに向き合って座る。
「安心しろ、この部屋は俺だけだ」
そう言うとフードを脱がせた。
案の定、あり得ないほど真っ白い顔が現れた。目鼻口が恐怖のため引きつっている。
「お前、あのときのあいつだろう」
「・・・・」
「廃墟にいただろう。飛んだり跳ねたりしていたあの白い者だろう」
少年は困った様子で「アーウー」と喃語のような声を発していた。
「言葉がわからないのか」
思わず頭をかく。
正直厄介だと思った。
だがあの廃墟で彼がいなかったらとも思う。あの娘、ソフィーはどうなっていたことか。
執事らが出迎える。
アーロンの次にフードを被った少年が出て来た。
「これは? 一体どなたでございますか」
「いや、大丈夫だ」
それだけ言って自室まで連れて行った。
ソファーに向き合って座る。
「安心しろ、この部屋は俺だけだ」
そう言うとフードを脱がせた。
案の定、あり得ないほど真っ白い顔が現れた。目鼻口が恐怖のため引きつっている。
「お前、あのときのあいつだろう」
「・・・・」
「廃墟にいただろう。飛んだり跳ねたりしていたあの白い者だろう」
少年は困った様子で「アーウー」と喃語のような声を発していた。
「言葉がわからないのか」
思わず頭をかく。
正直厄介だと思った。
だがあの廃墟で彼がいなかったらとも思う。あの娘、ソフィーはどうなっていたことか。