恋は青い色をしていた。
息を吐くくらいの気持ちで私の許可なく勝手に出ていってしまったのだ。
暑さでどうにかなりそうだった数分前を羨ましく思うほどの冷や汗が全身の体温を下げていく。
不思議だ、花火の音が聞こえない。
それでもやっぱり無し、とは言えなかった。
初めてこんなに長く目が合ったんだ、叶うならもっと琉火くんの近くにいきたい。
「い、一年ください!
もしかしたら、あの、地球がほぼ滅亡して一年三組の右後ろ二席しか残らなかったりしたら、琉火くんと私しかいなくて恋するしかなくなっちゃうかもしれないし!」
「告白するわりに全然自信無いじゃん」
「自信はありませんが、花火よりおっきな声は出せます!」
「こんな騒がしい中よく聞こえると思ったらそれはすごいね。花火より声が大きいからって、はいじゃあ付き合おうにはならないけど」
「ならないよねえ?!」
今日はたくさん言葉が返ってきた。
夜のせいか、お祭りの浮かれた雰囲気のせいか、いつもなら隙を見せたくないみたいにきゅっとしている頬がゆるんでみえる。