恋は青い色をしていた。

興味ひとつなく断られたのは事実で、でもきっと一歩くらい進んだ気がするんだ。


このあと帰ったらすぐ日記に向かって惚気よう。好きを何回書いても振り向いてなんかくれなくって、でも言葉にしたら目が合った。


きっと日記が嫉妬しちゃうに決まってる。




───それから、ふいに頭が重たくなった。


意識を戻すと、目の前にはさっきよりも近い琉火くんと、甘い匂いと、それから髪を撫でる手。


声が出そうになって両手で塞いだ。


こんなに近くて大声を出したら即嫌われる、今更だけれど。



「落ち込んでるのかと思った。いいよ、一年待つから頑張ってみなよ」



声を荒らげたのは言うまでもなく、勢いで好きだと伝えたらいつも通りの真顔琉火くんが「うるさい」と一言、それからまた花火を見上げた。




空を七色で染めた虹が端から端まで見えて、歩いていたらふと見つけた四つ葉のクローバー、流れ星は瞬きしても消えず夜空に浮かんでいる。



今日は、そんな幸せを全部詰め込んだような日だった。



私、絶対琉火くんの好きな人になりたい。

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