恋は青い色をしていた。
やっと名前で呼んでもらえて、無理やりだけど、お出掛けもして、これもまあ無理やりだけど。
交わす会話が増えていくとともに琉火くんも私を必要だって言ってくれているような、言葉にはしていなくてもほんの少しだけ伝わった。
でも、私の前では笑ったことがないから。
そんなところも好きなのに、受け入れられない私を見たらきっと琉火くんは嫌になる。
わかってるのに、どうしようもない。私は琉火くんの特別じゃないのに。
...家に帰ってから、ちょっと落ち着いてから連絡しよう、かな
お祭りの日になって0時ぴったりに振られる可能性を友達に指摘されて、どうせ振られるならあの花火を一緒に見たいと思った。
あの青い花火があがるまでは振らないでください、と深く頭を下げ済みなので、きっと一緒に行ってくれるだろうけれど。
行ったり来たりした帰り道、そろそろ家に着くところで歩幅が小さくなる。
まだ青色が残る空を見て、花火を思い出した。暑くて制服のワイシャツをまくっても何度も落ちてくる。
なにをしてもなにを考えてもちょっと憂鬱
...だった。
腕を引かれるまでは。