恋は青い色をしていた。

琉火くんに会うのが待ち遠しいと思いつつ、散々に振られる自分を予想してふわふわ枕に思いきり顔を埋めた。


夜目を瞑る前、この心臓が鳴り止まない理由が、今日琉火くんが私を誘ってくれたからか、明日琉火くんに告白の返事をもらえるかなのかはわからない。


なにも知らないふりをして今日は眠りについた。





───夕方と夜が混じる時間、暑さは日中より緩んで、ひこうき雲がひとつすらりと流れている。


それから、琉火くんの第一声。


「浴衣は」


私の格好は白のワンピースにお気に入りの黄色いミュール。それから爪の色は琉火くん好きな淡い青、ショルダーバッグの色とお揃い。


ちなみに琉火くんももちろん浴衣じゃなくて、白と黒をあれこれ組み合わせたシンプルな服装。スニーカーの色がお揃いなだけで嬉しくなる。


本当は浴衣がよくて、この日のために新調したまである。前日までしっかり悩んだ。


でも、と浮かれた賑やかしい周りを見渡す。
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