【BL】泡沫の恋
「俺が言える立場じゃないですけど、何で助けてくれたんですか?」
「若者を守ってやるのがおじさんの仕事でね」
「真面目に聞いてんすけど。素性も知らない高校生に助けて下さいって言われて、はいって応えるヤクザ居ないでしょ」
「今回は俺の傘下の組が関わってたから首突っ込んだだけだ」
「それだけ?」
「坊主の青臭さが眩しくてな……大事な奴守る為にヤクザに乗り込んで来るなんて思わねぇだろ」
それだけ必死だった
紫月の弱みを握ってそれで脅して温と二度と関わらせないようにすることも出来たが
あいつがあっさり身を引くとは思えなかった
念の為に用意しておいた切り札を使うとは思っていなかった
「………まぁ、頑張れ。道は踏み外すな」
「説得力無いですね」
香月さんはそのまま離れて行った
恐らく二度と会わないだろう
残った問題は俺自身