婚約者に浮気された海洋生物学者は海の戦士と結婚する
恋煩い
アトランティスの神殿内の兵士専用食堂にて。
昼食時だからか、周りが賑やかだ。
「……」
昨日、ホタルと出会って間もない筈なのに、ホタルに対しての気持ちが増してしまう。
自分がおかしいのか、これが普通なのかは分からない。
なんせ、生まれて1000年以上経ってはいるが、恋愛なんてしてないから、この感情が分からない。
初めての感情のせいで、食事が遅くなる。
「あらあら、いつも早く食事を済ませる人が珍しいわね」
聞き覚えのある声が耳に入り、顔を上げるとリゲリィアがいた。
「ここ良いかしら?」
「ああ…」
リゲリィアは俺の向かい側に座って食べ始めた。
「どーしたのよ、珍しく悩んでる顔なんかしてさ」
「いや……ちょっとな……なぁ、リゲリィア」
「ん?」
「また会いたいって言われたら脈アリだと思うか?」
「ゴフッ!?ゴッホ!!ど、どうしたのよ!リヴィアタン!!」
リゲリィアは俺の言葉で盛大に吹いた。
「いや、どうしたというか……初めてメスが気になってしまってな」
「ほほーう?戦場では冷酷無慈悲と言われた貴方が、生まれて初めてメスを気になるなんてね…で?どんな子なのよ〜!貴方の心を掴んだメスは」
「どんなって……そうだな……暖かくて太陽みたいで俺とは真反対だな」
「暖かくて太陽みたいねぇ…まぁ、貴方がやっと番に興味を持つのは喜ばしいことだけど、貴方のことだから秘密にするんでしょ?」
「あぁ……」
「でも、私には紹介はしてくれる?」
「……そのうちな」
リゲリィアと話しながら食事を進める。
「それと、リゲリィア」
「ん?」
「お前なら分かるかもしれないが……その、気になるメスに会いたいと思ってしまうのはどんな状態なんだ?」
「んー……それはね…恋煩いよ」
「恋煩い?」
「好きな人を想うことよ」
「好きな人を思う」
「あらあら?もしかして、その子にめちゃくちゃ会いたいの?」
リゲリィアは少しだけニヤつきながら聞いてくる。
「……」
「まぁ、暫くは暇なんだし会える時に会っておきなさい…で、次は何時会うの?」
「今夜だが…連絡がくる筈」
「あら!もしかして、もう指輪渡したの!?」
「……一応な」
「もう、そんな急いで…可愛いところあるじゃない」
「やめてくれ…お前に言われても嬉しくない」
「それもそうね、さて私はそろそろ行くわ」
「……ありがとうな」
「数少ない同期で友人なんだから、相談なら乗るし…また、惚気話聞かせて頂戴」
リゲリィアはその場を後にし、俺も残りの料理を食べ終え、食堂を後にした。
一方、陸にいるホタルは…。
「はぁ……」
「どうしたのお姉ちゃん、溜息なんかついて」
「ねぇ、ヒフミ…また会いたいって思ったら恋かな?」
「はぁ…???お姉ちゃん、昨日波に飲み込まれた時にどこかぶつけた?」
「ぶつけてないよ!…そのね…実はね…昨日助けて貰ったのよ…それで、朝日が登るまで…」
「ちょ、ちょっとまっ、待って!話についていけない!ちょっと整理させて」
ヒフミはホタルの言葉に困惑してしまい、ホタルの話をちゃんと聞いて、頭の中で整理した。
「で、なに?お姉ちゃんは、昨日素性が知らない鰭が生えた男性に助けられて、海洋生物の話をしていたら気付けば朝を迎えてて、また会う約束をしたと?」
「うん」
「はぁ……姉さん、妹の私が言うのはアレだけど…姉さんおかしいよ」
「お、おかしくはないよ!ほらコレみて!」
ホタルはヒフミにリヴィアタンから貰った指輪を見せた。
「この指輪…リヴィアタンさんから貰ったんだけど、普通の指輪じゃないの」
「普通じゃない?」
「この指輪をみてみて」
ヒフミはホタルに言われるがままに指輪を見つめた。
「これは…」
「ね?嘘もおかしい事も言ってない」
青い指輪の中がスノードームの様に、海の中が見えた。
今の人間の技術では不可能で、ヒフミはホタルの事が嘘じゃない事を知った。
「……まぁ、お姉ちゃんがそこまで言うなら…でも…気をつけてね?またお姉ちゃんが泣くの、私は見たくはないよ?」
「大丈夫!海を愛してる人は絶対に人を泣かせるような事はしないよ」
「だといいけどさ…で?お姉ちゃんがそこまで言うんだから、そのリヴィアタンさんはどんな人なのよ?」
「どんな人…渋いイケメンで…いや、海の様な瞳していて大きくて…やっぱり、一言で言うなら海の様な人!」
「海の様な人?」
ホタルの一言にヒフミは首を傾げる。
「…まぁ、あの嵐の中で姉さんを助けたくらいだから悪い人ではないと思うけど……で、その人とまた会う約束したんでしょ?何時なの?」
「今日の夜!」
「じゃ、夜になる前にこれをやらないとね」
ドサ!
ヒフミはホタルの目の前に、分厚い紙束を出した。
「え…ヒフミ……これって…」
「昨日の報告書!私はもう書いたから、あとは姉さんだけ」
「えー…」
「はいはい!えーと言わない!早くやらないと、愛しいリヴィアタンさんに会えないよー、名誉教授様」
ホタルはヒフミに言われて渋々報告書を書き始めた。
昼食時だからか、周りが賑やかだ。
「……」
昨日、ホタルと出会って間もない筈なのに、ホタルに対しての気持ちが増してしまう。
自分がおかしいのか、これが普通なのかは分からない。
なんせ、生まれて1000年以上経ってはいるが、恋愛なんてしてないから、この感情が分からない。
初めての感情のせいで、食事が遅くなる。
「あらあら、いつも早く食事を済ませる人が珍しいわね」
聞き覚えのある声が耳に入り、顔を上げるとリゲリィアがいた。
「ここ良いかしら?」
「ああ…」
リゲリィアは俺の向かい側に座って食べ始めた。
「どーしたのよ、珍しく悩んでる顔なんかしてさ」
「いや……ちょっとな……なぁ、リゲリィア」
「ん?」
「また会いたいって言われたら脈アリだと思うか?」
「ゴフッ!?ゴッホ!!ど、どうしたのよ!リヴィアタン!!」
リゲリィアは俺の言葉で盛大に吹いた。
「いや、どうしたというか……初めてメスが気になってしまってな」
「ほほーう?戦場では冷酷無慈悲と言われた貴方が、生まれて初めてメスを気になるなんてね…で?どんな子なのよ〜!貴方の心を掴んだメスは」
「どんなって……そうだな……暖かくて太陽みたいで俺とは真反対だな」
「暖かくて太陽みたいねぇ…まぁ、貴方がやっと番に興味を持つのは喜ばしいことだけど、貴方のことだから秘密にするんでしょ?」
「あぁ……」
「でも、私には紹介はしてくれる?」
「……そのうちな」
リゲリィアと話しながら食事を進める。
「それと、リゲリィア」
「ん?」
「お前なら分かるかもしれないが……その、気になるメスに会いたいと思ってしまうのはどんな状態なんだ?」
「んー……それはね…恋煩いよ」
「恋煩い?」
「好きな人を想うことよ」
「好きな人を思う」
「あらあら?もしかして、その子にめちゃくちゃ会いたいの?」
リゲリィアは少しだけニヤつきながら聞いてくる。
「……」
「まぁ、暫くは暇なんだし会える時に会っておきなさい…で、次は何時会うの?」
「今夜だが…連絡がくる筈」
「あら!もしかして、もう指輪渡したの!?」
「……一応な」
「もう、そんな急いで…可愛いところあるじゃない」
「やめてくれ…お前に言われても嬉しくない」
「それもそうね、さて私はそろそろ行くわ」
「……ありがとうな」
「数少ない同期で友人なんだから、相談なら乗るし…また、惚気話聞かせて頂戴」
リゲリィアはその場を後にし、俺も残りの料理を食べ終え、食堂を後にした。
一方、陸にいるホタルは…。
「はぁ……」
「どうしたのお姉ちゃん、溜息なんかついて」
「ねぇ、ヒフミ…また会いたいって思ったら恋かな?」
「はぁ…???お姉ちゃん、昨日波に飲み込まれた時にどこかぶつけた?」
「ぶつけてないよ!…そのね…実はね…昨日助けて貰ったのよ…それで、朝日が登るまで…」
「ちょ、ちょっとまっ、待って!話についていけない!ちょっと整理させて」
ヒフミはホタルの言葉に困惑してしまい、ホタルの話をちゃんと聞いて、頭の中で整理した。
「で、なに?お姉ちゃんは、昨日素性が知らない鰭が生えた男性に助けられて、海洋生物の話をしていたら気付けば朝を迎えてて、また会う約束をしたと?」
「うん」
「はぁ……姉さん、妹の私が言うのはアレだけど…姉さんおかしいよ」
「お、おかしくはないよ!ほらコレみて!」
ホタルはヒフミにリヴィアタンから貰った指輪を見せた。
「この指輪…リヴィアタンさんから貰ったんだけど、普通の指輪じゃないの」
「普通じゃない?」
「この指輪をみてみて」
ヒフミはホタルに言われるがままに指輪を見つめた。
「これは…」
「ね?嘘もおかしい事も言ってない」
青い指輪の中がスノードームの様に、海の中が見えた。
今の人間の技術では不可能で、ヒフミはホタルの事が嘘じゃない事を知った。
「……まぁ、お姉ちゃんがそこまで言うなら…でも…気をつけてね?またお姉ちゃんが泣くの、私は見たくはないよ?」
「大丈夫!海を愛してる人は絶対に人を泣かせるような事はしないよ」
「だといいけどさ…で?お姉ちゃんがそこまで言うんだから、そのリヴィアタンさんはどんな人なのよ?」
「どんな人…渋いイケメンで…いや、海の様な瞳していて大きくて…やっぱり、一言で言うなら海の様な人!」
「海の様な人?」
ホタルの一言にヒフミは首を傾げる。
「…まぁ、あの嵐の中で姉さんを助けたくらいだから悪い人ではないと思うけど……で、その人とまた会う約束したんでしょ?何時なの?」
「今日の夜!」
「じゃ、夜になる前にこれをやらないとね」
ドサ!
ヒフミはホタルの目の前に、分厚い紙束を出した。
「え…ヒフミ……これって…」
「昨日の報告書!私はもう書いたから、あとは姉さんだけ」
「えー…」
「はいはい!えーと言わない!早くやらないと、愛しいリヴィアタンさんに会えないよー、名誉教授様」
ホタルはヒフミに言われて渋々報告書を書き始めた。