婚約者に浮気された海洋生物学者は海の戦士と結婚する
ドォォォォォン!!
高台の下の海が噴火の様に下から勢いよく噴いた。
「なんだ!!?下から物凄い衝…」
ザシュッ!!
ウルスの部下が喋る間もなく、素早い何かが飛び出し部下全員の首を狩った。
そしてその勢いのせいか海水が蒸発し煙が立ち込め、煙の中か1人の男が現れた。
「そのメスは俺のだ…そのメスから直ぐに離れろ」
「ち…来たか…リヴィアタン」
ウルスは言われた通りにホタルから離れた。
ホタルはボロボロな姿で今でも泣き出しそうな顔をして俺を見ている。
「お前…」
ホタルを傷つけられた怒りや大切な人を酷い目に合わせた自分への怒りもが込み上げてくる。
「…笑えるな、冷酷無慈悲と言われた奴がメス1人にこうも怒りを露にする……っ!?」
ウルスの頭を掴み、ホタルから離れる為に海に頭を叩きつけた。
ドォォォォォン!!
「話はそれだけか?」
「…つ!?」
ウルスは素早く刀を引き抜きながら、俺の手から逃れた。
「流石にこれだけでは死なないか…」
「ふ、何を…裏切り者がよく吠える」
「なら、思う存分お前を殴れる…ホタルに手を出した事を、死を持って償え」
ドォォォォォン!
「くそ…古代種族だけあって、魔力は化け物か!!」
「生憎、魔力は有り余ってるからな…」
「ちっ!!」
互いに急所を狙うも、素早くかわされたり、受け流されたりと1歩も引かない状態だ。
ウルスとリヴィアタンの激しい戦いの衝撃で海が揺れ、ホタルは高台からその様子を見ている。
「リヴィアタン…」
「リヴィアタンなら大丈夫よ」
「!?」
傍から現れたリゲリィアを見たホタルは、先程のこともあり咄嗟に離れた。
「そんなに怯えないで…私はリヴィアタンの友人のリゲリィア……怖い思いをさせてしまってごめんなさい」
「……大丈夫です…胸を触られただけですから」
「……ちょっとみせてくれる?念の為身体の傷を治してあげるから」
「……」
リゲリィアに言われ、恐る恐るながらも傷を見せた。
リゲリィアはホタルね身体についた傷を治癒魔法で優しく治していく。
「酷いわね…こんな可愛いメスに手を上げるなんて」
「私…何も出来なかった…ただ泣き叫んで…リヴィアタンに助けを求めて…早く逃げとけば…」
ホタルは涙を溢れ流し泣く。
リゲリィアはホタルをなだめる様に優しく頭を撫でる。
「……何も出来なくて当然よ…私達と陸の人間じゃ違いすぎる…それに、貴方が助けを求めたおかげで、リヴィアタンはあなたの居場所を直ぐに見つけ、貴方が犯されるのを防ぐ事ができた」
「ひっく……でも……」
「貴方がリヴィアタンに助けを求めたのは、リヴィアタンを心から信じたから…リヴィアタンも貴方を信じここに居る…勿論私もね…」
「……」
「それに私はリヴィアタンがやっと大切な人をみつけ……国の兵士としてではなく、その人の為に戦う事が嬉しくてね…貴方に感謝しているのよ」
「リゲリィアさん…」
「2人でリヴィアタンを待ちましょ?大丈夫、アイツは絶対に戻ってくる……それに、貴方を護衛するようにと言われてるしね」
「……」
ホタルは心配になりながらもリヴィアタンが戻ることを祈る。
一方、海中で激しく闘うリヴィアタンとウルス。
リヴィアタンの重たい一撃がウルスに入り、圧倒的にリヴィアタンが押してる状態だ。
そして、俺の蹴りがウルスの溝打ちに入った。
「先程の無駄吠えはどうした?」
「っ……」
「さぁ、立て……まだ手足が動けるだろ?」
「化け物めが……ハァハァ……ポセイドン様が言ってた通り……殺すには惜しい男……なぜ、そこまでしてあの人間を守ろうとする?陸の人間なんか、俺達の寿命の半分しか生きられないひ弱な生き物だぞ…せいぜい生殖行為しか使い物にはならない」
「…お前からみたらひ弱な人間か…見誤ったな…あのメス…深海ホタルは俺より強いぞ」
「!?」
一呼吸し構え、魔力を拳に溜めた。
「ま、まて!やめっ…」
ウルスの静止を無視し、魔力が溜まった拳をウルスの顔に叩き込んだ。
ドォォォォォン!
骨が砕ける感触があったものの、ウルスは魔力の衝撃で勢いよく海底へ叩きつけられ息絶えた。
「ハァハァ…」
さっきの魔力は何だったんだ?俺の魔力と同時に別の魔力が混ざった感じが一瞬あった。
それに、感情に流されたとはいえここまで魔力を出し続け魔力を使い過ぎた筈なのに…。
オーシャンバトルで陸の人間の番を持てば強くなる話を聞いたことがある。
その力は番によっては神にも匹敵すると言われ、神殺しにならない様に、オーシャンバトル以外では陸の人間と関わってはいけないとされている。
「ハッタリのつもりだったが…もしかしたら本当にホタルは強いかもしれないな」
俺は海底に沈んでいるウルスの死を確認し、直ぐにホタルの元へと戻った。
「ホタル」
「リヴィアタン!!」
高台に戻るとホタルが走り抱きついてきた。
「うわぁぁぁ」
「……」
抱きついたホタルは安心したからか泣きながら強く俺を抱きしめる。
ホタルからしたら経験したことがない恐怖だったのだろう。
俺は泣きじゃくるホタルの頭を優しく撫でる。
「怖い思いをさせてしまってすまなかった」
「ううん大丈夫……リヴィアタンが戻ってきてくれたから」
「ホタルちゃん、ずっと心配してたんだからとことん甘えさせてあげなさいよ」
「あぁ…もちろんだ」
「さぁーて、2人の邪魔はしたくはないから…私はアンタに頼まれた事をしてくるからそろそろ行くわ」
「ありがとうなリゲリィア」
「私は暫く陸を楽しむから、何かあったらまた呼んでちょうだい」
リゲリィアはそう言うと海へと飛び込んだ。
「リヴィアタン…」
「ホタル…これでお前と番になれる」
「うん…」
ホタルを優しく抱きしめながら、夕日を背にして深く深く互いを確かめるようにキスをした。
あぁ…俺のホタル…優しくて暖かくて太陽の様な存在。
俺はホタルを守る為ならばこの手が再び血に塗られてもかまわないとそう心に誓った。
高台の下の海が噴火の様に下から勢いよく噴いた。
「なんだ!!?下から物凄い衝…」
ザシュッ!!
ウルスの部下が喋る間もなく、素早い何かが飛び出し部下全員の首を狩った。
そしてその勢いのせいか海水が蒸発し煙が立ち込め、煙の中か1人の男が現れた。
「そのメスは俺のだ…そのメスから直ぐに離れろ」
「ち…来たか…リヴィアタン」
ウルスは言われた通りにホタルから離れた。
ホタルはボロボロな姿で今でも泣き出しそうな顔をして俺を見ている。
「お前…」
ホタルを傷つけられた怒りや大切な人を酷い目に合わせた自分への怒りもが込み上げてくる。
「…笑えるな、冷酷無慈悲と言われた奴がメス1人にこうも怒りを露にする……っ!?」
ウルスの頭を掴み、ホタルから離れる為に海に頭を叩きつけた。
ドォォォォォン!!
「話はそれだけか?」
「…つ!?」
ウルスは素早く刀を引き抜きながら、俺の手から逃れた。
「流石にこれだけでは死なないか…」
「ふ、何を…裏切り者がよく吠える」
「なら、思う存分お前を殴れる…ホタルに手を出した事を、死を持って償え」
ドォォォォォン!
「くそ…古代種族だけあって、魔力は化け物か!!」
「生憎、魔力は有り余ってるからな…」
「ちっ!!」
互いに急所を狙うも、素早くかわされたり、受け流されたりと1歩も引かない状態だ。
ウルスとリヴィアタンの激しい戦いの衝撃で海が揺れ、ホタルは高台からその様子を見ている。
「リヴィアタン…」
「リヴィアタンなら大丈夫よ」
「!?」
傍から現れたリゲリィアを見たホタルは、先程のこともあり咄嗟に離れた。
「そんなに怯えないで…私はリヴィアタンの友人のリゲリィア……怖い思いをさせてしまってごめんなさい」
「……大丈夫です…胸を触られただけですから」
「……ちょっとみせてくれる?念の為身体の傷を治してあげるから」
「……」
リゲリィアに言われ、恐る恐るながらも傷を見せた。
リゲリィアはホタルね身体についた傷を治癒魔法で優しく治していく。
「酷いわね…こんな可愛いメスに手を上げるなんて」
「私…何も出来なかった…ただ泣き叫んで…リヴィアタンに助けを求めて…早く逃げとけば…」
ホタルは涙を溢れ流し泣く。
リゲリィアはホタルをなだめる様に優しく頭を撫でる。
「……何も出来なくて当然よ…私達と陸の人間じゃ違いすぎる…それに、貴方が助けを求めたおかげで、リヴィアタンはあなたの居場所を直ぐに見つけ、貴方が犯されるのを防ぐ事ができた」
「ひっく……でも……」
「貴方がリヴィアタンに助けを求めたのは、リヴィアタンを心から信じたから…リヴィアタンも貴方を信じここに居る…勿論私もね…」
「……」
「それに私はリヴィアタンがやっと大切な人をみつけ……国の兵士としてではなく、その人の為に戦う事が嬉しくてね…貴方に感謝しているのよ」
「リゲリィアさん…」
「2人でリヴィアタンを待ちましょ?大丈夫、アイツは絶対に戻ってくる……それに、貴方を護衛するようにと言われてるしね」
「……」
ホタルは心配になりながらもリヴィアタンが戻ることを祈る。
一方、海中で激しく闘うリヴィアタンとウルス。
リヴィアタンの重たい一撃がウルスに入り、圧倒的にリヴィアタンが押してる状態だ。
そして、俺の蹴りがウルスの溝打ちに入った。
「先程の無駄吠えはどうした?」
「っ……」
「さぁ、立て……まだ手足が動けるだろ?」
「化け物めが……ハァハァ……ポセイドン様が言ってた通り……殺すには惜しい男……なぜ、そこまでしてあの人間を守ろうとする?陸の人間なんか、俺達の寿命の半分しか生きられないひ弱な生き物だぞ…せいぜい生殖行為しか使い物にはならない」
「…お前からみたらひ弱な人間か…見誤ったな…あのメス…深海ホタルは俺より強いぞ」
「!?」
一呼吸し構え、魔力を拳に溜めた。
「ま、まて!やめっ…」
ウルスの静止を無視し、魔力が溜まった拳をウルスの顔に叩き込んだ。
ドォォォォォン!
骨が砕ける感触があったものの、ウルスは魔力の衝撃で勢いよく海底へ叩きつけられ息絶えた。
「ハァハァ…」
さっきの魔力は何だったんだ?俺の魔力と同時に別の魔力が混ざった感じが一瞬あった。
それに、感情に流されたとはいえここまで魔力を出し続け魔力を使い過ぎた筈なのに…。
オーシャンバトルで陸の人間の番を持てば強くなる話を聞いたことがある。
その力は番によっては神にも匹敵すると言われ、神殺しにならない様に、オーシャンバトル以外では陸の人間と関わってはいけないとされている。
「ハッタリのつもりだったが…もしかしたら本当にホタルは強いかもしれないな」
俺は海底に沈んでいるウルスの死を確認し、直ぐにホタルの元へと戻った。
「ホタル」
「リヴィアタン!!」
高台に戻るとホタルが走り抱きついてきた。
「うわぁぁぁ」
「……」
抱きついたホタルは安心したからか泣きながら強く俺を抱きしめる。
ホタルからしたら経験したことがない恐怖だったのだろう。
俺は泣きじゃくるホタルの頭を優しく撫でる。
「怖い思いをさせてしまってすまなかった」
「ううん大丈夫……リヴィアタンが戻ってきてくれたから」
「ホタルちゃん、ずっと心配してたんだからとことん甘えさせてあげなさいよ」
「あぁ…もちろんだ」
「さぁーて、2人の邪魔はしたくはないから…私はアンタに頼まれた事をしてくるからそろそろ行くわ」
「ありがとうなリゲリィア」
「私は暫く陸を楽しむから、何かあったらまた呼んでちょうだい」
リゲリィアはそう言うと海へと飛び込んだ。
「リヴィアタン…」
「ホタル…これでお前と番になれる」
「うん…」
ホタルを優しく抱きしめながら、夕日を背にして深く深く互いを確かめるようにキスをした。
あぁ…俺のホタル…優しくて暖かくて太陽の様な存在。
俺はホタルを守る為ならばこの手が再び血に塗られてもかまわないとそう心に誓った。