【完】おにぎり恋愛日和‼︎

「じゃあ何かあったら遠慮なく言ってね」

キッチンの片付けついでに薬を取りに行こうと、立ち上がった私は寝室を後にする。まだ雑炊を作った残りのご飯があるから、おにぎり握って冷蔵庫にでも入れておこう。

手際良く残りのご飯で塩むすびを作った後、携帯を鞄から出して電話を掛ける。仕事中かもしれないから出なかったらメッセージだけ入れておこうと思っていたが、3コール目が終わるくらいに「はーい」と電話が繋がった。

電話を掛けた相手、瑠衣くんに小声で話しかける。

「瑠衣くん?天音くん、生きてたよ」
「良かった。ありがとう、助かったよ」
「ご飯食べて、今薬飲んでもらっているところ」
「三鈴ちゃんに頼んで良かったよ。僕ら誰1人看病の仕方もよく分からないしね」

光春くんのこと頼んだよ。と瑠衣くんは電話を切ってしまった。まぁこれで一応報告は完了したし、台所の片付けも終わったし、瑠衣くんが買ってきたりんごもうさぎに切り終わった。

我ながら看病の天才なのでは無いかと、悦に浸りながら帰りの身支度を進めていると、ガチャリと寝室の扉が開く音が聞こえてくる。

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