【完】おにぎり恋愛日和‼︎
どうにか到着したことを天音くんに連絡したいけれど、生憎私の両手はお弁当で塞がっている。どうしようかなぁ、と街なかに聳え立つビルを下から眺めていると救世主が現れた。
「あ!三鈴ちゃんだ!」
「瑠衣くん!良いところに・・・!」
私の前に現れたのは瑠衣くんだった。知っている人に出会えて安堵した私は「助かった」と息を吐く。彼は私の手に下がっている袋を見てクスクスと笑った。
「また光春くん頼んだんだ。もしかして僕たちの分もあるのかな」
お腹空いていたから嬉しい。と瑠衣くんはお弁当が3つ入った方の袋を持ってくれた。軽くなった右手がぷるぷる震え出す。明日筋肉痛になりそうだなと苦笑する私に、瑠衣くんは事務所の中に入るように促した。
「この前はありがとう。光春くんのお見舞いに行ってくれて」
「ううん。私も心配だったから大丈夫だよ」
「あはっやっぱり三鈴ちゃんに頼んで正解だった」