【完】おにぎり恋愛日和‼︎

一応朝はカットソーに薄手のコートを着てきたのだが、急いでお弁当を持って行かなきゃと思いバタバタとまごころ屋を出たから忘れてきてしまったのだ。

謎の使命感でアドレナリンが出ていたせいか此処に来るまでは寒さも感じなかったのだが、今は正直かなり寒い。立ち止まっている方が寒さが際立つ。

「う~寒い。早く帰っちゃおう。じゃあね、天音くん」
「・・・ちょっと待って」

すると天音くんは自分のカーディガンを脱ぎ始めた。突然何事かと目を見張っていると、ソレをひょいっと私に向けてくる。

「これ、羽織って帰って」

そして彼は私に渡した。

「え?いやいや、いいよ。寒いけど死ぬほどじゃないし」
「いいから」
「それに天音くんが寒いでしょ。また風邪ひくよ」
「いいから!これ!着て帰って!」
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