【完】おにぎり恋愛日和‼︎
どこかで嗅ぎ覚えのある匂いかと思ったら、いつも天音くんから香るものだった。

「あー、確か去年voyageコラボで作った香水」
「男物の香水って使うことないから、なんかドキドキしちゃうよね」

普段あまり香水を使わない私。家にあるのは頂き物のフローラル系や甘めの香りのものばかりなのだ。男物の香水って思うだけで新鮮な気分である。

「良い匂いだよね、これ」

でもこの香水は女の私でもとても好きな匂いだった。スンスンと香りを探すように鼻を揺らしていると、目の前で思い切りため息をつく天音くんがいた。

「俺は青山の軽率な発言と行動にドキドキするんだけど」
「えぇ、どこが軽率なの」
「全部」

もうやめろと云わんばかりの顔。確かに側からみたら人の服を嗅ぎまくる変態にした見えないけれど、一応私は褒めているつもりなのだ。天音くんは喜ぶべきである。
 

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