【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「しばらく彼氏いないって言ってたじゃん?一緒に行こうよ」

確かにそれも言った。一緒に「彼氏欲しいですねぇ」なんて、確かに軽く言ったけれど。
でも話を合わせる為にあぁ言っただけで、本気で彼氏が欲しいとは思っていないのだ。

「・・・先輩、えっと」
「まぁまだ返事はいいから考えてみて!ね?」

じゃあまたね。と背中を押されるように、天音くんと一緒にサークル室から追い出されてしまった。
帰ったら断りの連絡を入れておこう。




大学を出て、閑散とした道を2人並んで歩く。

「今日は特に寒いね」
「ん」
「私も帽子とか被ろうかな。暖かそう」

天音くんを改めて見ると、今日はかなり完全装備である。いつもの帽子にマスク、さらには伊達メガネも。綺麗な顔がほとんど隠されている状態だった。変装、というより寧ろ不審者。

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