【完】おにぎり恋愛日和‼︎
その後尋問されるようにプライベートの話を引きずり出されていた時、勢いよく会議室の扉が開く。

「ちょっと!何勝手に連れて来てんの!」

現れたのは天音くんで、般若の如く恐ろしい顔で夏樹くんを睨む。

「別に光春の許可もらう必要ないよね」

それでも夏樹くんは怯まずに笑みを浮かべ続ける。確かに天音くんの許可をもらう必要なんてないよね、なんて1人心の中で頷いていると「あんたも!」と、今度はこちらへ矛先が向かって来た。

「ちょろちょろついていかないの!せめて俺に一報入れるくらいしなよ!」
「まぁまぁ、光春。ただ仲良くタルト食べてただけだから」
「モノで連られてんじゃん、嘘でしょ・・・」
「えっ違うよ。大学前で誘拐拉致され、」
「タルトでも何でも俺が買うから、勝手に着いていかないで」

話が全然通じない。幼児か私は。まるで親に怒られている子どもの気分である。
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