【完】おにぎり恋愛日和‼︎

天音くんはまず味噌汁をひと口。ごくりと喉が上下する様子を見つめながら、再びお茶を啜った。
すると見られていることに気付いたのか、彼は「何?」と箸を止める。

「・・・美味しいかなって」

あぁ、そういうこと。そんな顔をした天音くんは迷うことなく、次のように言葉を並べた。

「毎日飲みたいくらいには美味いよ」

ほら、またそういうこと言う。

「・・・最近の天音くん、びっくりするくらいに良い人だよね」

そして天音くんの表情はやけに年相応に見えることがある。普通の大学生のように、喜怒哀楽をちゃんと見せるようになった。

「そう?」

今も楽しそうに頬を緩めて笑っている。その顔を見ると何だか絆されているような気分になる。何も言えなくなるんだよなぁとこのもどかしさをいつも歯を食いしばっているのだ。
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