【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「ちゃんとそう見えているんだったら良いけど」
「役作りの一貫だったりするの?」
「恋愛映画のオファー来てるんでしょ?」と尋ねると、何で知ってるのと云わんばかりに口をひん曲げた。
もちろん貴ちゃん情報である。そう伝えると「アイツ・・・」とブツブツ文句を言っていた。後で言おうと思ったのに、と呟く彼は私が貴ちゃんから先に情報を得ていたことが気に食わないらしい。
「どう思う?」
「何が?」
「映画。恋愛ものとかしたことないから、正直迷ってるんだよね」
何を迷う必要があるのだろうか。私はすぐに「良いと思うよ」と返す。
こんなにはっきりと言われるとは思わなかったのだろうか、天音くんは「そっか」と動揺を見せる。
「だってもっと沢山の人に天音くんが見て貰えるってことでしょ」
「そもそも演技経験少ないし、批判も沢山くるかも」
「本物のファンだったら思わないよ」