【完】おにぎり恋愛日和‼︎

そう背中を押す行動に、夏樹くんの顔が頭にチラつくけれど新しく経験を積むチャンスがあるのならば何だって体当たりした方が良い。

「アンタも?」
「うん。夏樹くんだって言ってたよ。天音くんにはまだまだ潜在的な才能があるって」
「・・・・」
「あーごめんごめん。夏樹くんの名前はカットで」

貴ちゃんといい、夏樹くんといい、あまり他の男性の名前を出すとすぐに無言になる。

「まぁ・・・前向きに考えてみるよ」
「うん。私も公開初日に観に行くからね」

きっと天音くんだって最初からオファーを受けるつもりだったはずだ。彼の言う前向きはほぼ確定なのは知っている。

「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」

それから天音くんは朝ごはんを綺麗に平らげてくれた。お鍋で炊いたご飯のおにぎりにも感動してくれていたし、おかずも「美味しい」「美味しい」と言いながらも食べてくらた。これはもう私冥理に尽きる。

最後にお茶を飲みながら、天音くんは「さっきの話だけど」と口を開いた。

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