【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「驚くくらいに美味しかった。不思議なくらいに、優しい味で、お母さんの味ってこんな感じなのかなって思ったくらいに」
「いつから私、天音くんのお母さんになったんだろう」
おにぎりなんて大層なものじゃないのに、と薄く笑う。レシピを見て握ったら、いくつでも同じ焼きおにぎりは作れてしまうのだ。ましてや炊きたてのご飯じゃなくて、昨晩の残りもので作ったものだったはずだ。
「無償の愛、的な。そんな感じ」
「ただひとりの女子大生が握ったおにぎりにそんなに夢は詰まっていないと思うけどな」
「俺がそう思ったんだからいいの。細かいところは後で全部聞くから、雰囲気ブチ壊すのはやめてよね」
「別に馬鹿にしているわけじゃないよ。私も同じように感じた時、あるから」
まぁ、無償の愛の味には共感できるところもある。
例えばお母さんのアップルパイや、お父さんのチャーハンとか、天音くんが時々買ってくれるカフェオレとか。例え与えられたものが既製品だとしても、誰かにもらった食べ物は自分が作ったものよりも美味しかったりするのだ。
「いつから私、天音くんのお母さんになったんだろう」
おにぎりなんて大層なものじゃないのに、と薄く笑う。レシピを見て握ったら、いくつでも同じ焼きおにぎりは作れてしまうのだ。ましてや炊きたてのご飯じゃなくて、昨晩の残りもので作ったものだったはずだ。
「無償の愛、的な。そんな感じ」
「ただひとりの女子大生が握ったおにぎりにそんなに夢は詰まっていないと思うけどな」
「俺がそう思ったんだからいいの。細かいところは後で全部聞くから、雰囲気ブチ壊すのはやめてよね」
「別に馬鹿にしているわけじゃないよ。私も同じように感じた時、あるから」
まぁ、無償の愛の味には共感できるところもある。
例えばお母さんのアップルパイや、お父さんのチャーハンとか、天音くんが時々買ってくれるカフェオレとか。例え与えられたものが既製品だとしても、誰かにもらった食べ物は自分が作ったものよりも美味しかったりするのだ。