【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「それに私だって嬉しかったから。美味しいって言われたの、今でも覚えているよ。お世辞じゃないかって、何度も思ったけどね」
「お世辞だったら何度もあんたにおにぎりせびらないよ」
確かにそうだね、と一緒になって笑う。すると天音くんは「でも、」と再び口を開いた。
「最初の頃はただ単に煩くなくて騒がしくないから、アンタと一緒にいたけど」
あぁ、そんなことあったな。と、思い出すのは「煩くなくて楽」と言われた去年の春。当時の私はvoyageの存在を知っていたくらいで、曲はもちろんメンバーの名前すら知らなかったのだから。“芸能人”なんだ、くらいのスタンスで出会ったのだ。
「一緒に過ごすうちに、いつまでも、今日みたいな日が続けばいいのにって考えるようになったんだよね」
語るように紡ぐ、ひとつひとつの言葉。
それは紛れもなく、アイドルの天音光春ではなく、ひとりの男の子天音光春からの想いだった。
彼らしくもなく緊張しているのか、それとも慎重に言葉を選んでいるからなのか、その声は少し詰まっているように感じる。
「お世辞だったら何度もあんたにおにぎりせびらないよ」
確かにそうだね、と一緒になって笑う。すると天音くんは「でも、」と再び口を開いた。
「最初の頃はただ単に煩くなくて騒がしくないから、アンタと一緒にいたけど」
あぁ、そんなことあったな。と、思い出すのは「煩くなくて楽」と言われた去年の春。当時の私はvoyageの存在を知っていたくらいで、曲はもちろんメンバーの名前すら知らなかったのだから。“芸能人”なんだ、くらいのスタンスで出会ったのだ。
「一緒に過ごすうちに、いつまでも、今日みたいな日が続けばいいのにって考えるようになったんだよね」
語るように紡ぐ、ひとつひとつの言葉。
それは紛れもなく、アイドルの天音光春ではなく、ひとりの男の子天音光春からの想いだった。
彼らしくもなく緊張しているのか、それとも慎重に言葉を選んでいるからなのか、その声は少し詰まっているように感じる。