【完】おにぎり恋愛日和‼︎
惹きつけられるように、吸い込まれるように、その瞳の中に私の姿が映る。
「青山と・・・三鈴と、ずっと一緒にいたい」
そう願った天音くんの表情は、今までに見たことがないほどに穏やかで、砂糖を溶かしたように甘くて、朝日に照らされて造形物かのように綺麗だった。
次に口を開いたのは、返事を求められている私・・・ではなく天音くんの方だった。眉を下げて笑みを浮かべた彼は「あ、ほら」と広がる水平線に向かって腕を伸ばす。
「昇ってきたよ、初日の出」
「うわぁ、本当だ」
姿を見せた朝日は、辺り一面をオレンジ色に染めていく。
岩にぶつかって上がる水飛沫も、星夜空に散りばめられた星のようにキラキラしていた。新しい一年の幕開けと同時にm背中を押してくれるような、そんなパワーを持った眺め。
今年見た初日の出は、昨年のものよりも輝いて見えた。