【完】おにぎり恋愛日和‼︎

「とりあえず事務所通してコメント出さないといけないから」

数分後、名残惜しそうに私の背中から腕を解いた天音くんはそう言って家から居なくなってしまった。

ぬくもりが離れてひんやりとした身体に少し寂しさを覚えながら、立ち上がってベランダに出る。

火照った体温が、冬の空気に充てられてどんどん冷めていく。それが気持ち良くって、しばらくベランダの淵に肘をつけていた。

きっと、大丈夫だよね。

これならどうなるのか些か不安が残るけれど、もうなるようにしかならない。むしろ胸のつっかえが取れて、変に吹っ切れてしまっている。

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