【完】おにぎり恋愛日和‼︎
ちゃんと名前呼んだのに!と天音くんを下から見上げながら怒る。「約束破ったなこのイケメン!」と喚いていた私の口を、もう一度彼は自分のそれで塞ぐ。ファーストキスならぬセカンドキスまで一瞬で奪われてしまった。

「天音くんのばーか!ばーか!何してもイケメンのくせに!」
「嫌じゃなかったくせに」

余裕な笑みで対抗してくる天音くん。もちろん嫌じゃないに決まっている。でも何だか負けた気がするのはなぜだろう。む、と口を尖らせた私に彼は「三鈴?」と名前を呼ぶ。

仰向けて寝転がっている私は、見上げていた天音くんの口の後ろに両手を回した。

「光春くんとのキスなんて、嬉しいに決まってるじゃん!」

そのまま私の方に顔を引きよせ、その綺麗な唇に自分のを重ね合わせた。
 
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