【完】おにぎり恋愛日和‼︎
天音くんは驚いたように大きく目を見開かせたかと思えば、突然身体の力が抜けたかのように私の上に半分乗っかってきた。思わず「ぐえ」っカエルの鳴き声のような声が出てしまう。
「・・・あ、天音くん?」
動こかなくなった彼に声をかける。早く退いてもらわないと臓器が潰れそうだ。それでも
動く気配のない彼に「光春くーん」ともう一度名前を呼ぶ。すると耳元のすぐそばでくぐもった声が聞こえてきた。
「反則じゃん。どこで覚えてきたのそんなの」
「どこも何も教えてもらったことなんてありません。だから、退いて・・・重い、」
苦しそうに呟けば、彼はのそりと動き出して座りなおす。助かったと、思う間もなく今度は真正面から抱きしめられる体勢になった。今日はいつになく、くっつき虫である。
天音くんは私の肩口に額を当てるようにして顔を埋める。後ろに回ってきた腕は撫でるように動いて、少し擽ったい。