【完】おにぎり恋愛日和‼︎

私たちのやりとりが面白かったのか、夏樹くんはクスリと笑って口を開く。

「光春は来なくても良かったのに」
「夏樹は前科があるからね」
「今回はちゃんと光春に話を通してからだからいいじゃないか」

玄関で出迎えてくれた夏樹くんは、私たちを客間へと案内してくれた。

部屋に入った私は「わぁ」と、感嘆の息を漏らす。家具も絨毯もアンティーク調なものばかりで、素人目でも良い物だと分かった。異国感溢れる部屋にテンションが上がってしまう。

「もう少しで瑠衣も貴臣も来るから、2人とも座って待ってて」
「あっ夏樹くん。これ、良かったら食べて」

私は今のうちににと、持ってきた"手土産"を渡す。光春くんは気にしなくて良いって言ってはいたが、さすがに手ぶらでは行けないと念のため準備してきたのだ。

早速渡した紙袋の中を確認した夏樹くんは「まさか、」と驚いたように目を見開く。

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